〜銀河の響きを奏でる惟神の源流「天河」の聖地より〜
北は吉野から南は那智· 熊野まで、列島の中央に起伏する霊峰大峯。
天と地がひとつに溶け合ったようなこの深山幽谷は、
古神道や水分、修験、龍といった日本の民族信仰の一大拠点で、
大自然の中に神を見出しその心のままに生きる
惟神の源流そのものでした。
儒教· 道教· 仏教が伝来してからは、神仏習合の拠り所ともなり、
日本人の霊性の背骨として私たちの根幹を支える魂の礎となってきました。
そんな大峯の最高峰· 弥山に祀られているのは、
水の神· 音の神であり、弁舌· 芸能の神でもある弁財天で、
山深い秘境に社殿を構えた天河大辨財天社(通称:天河神社)は、
1300年の時を超えて世界中から多くの崇敬を集めています。
ここにおおくりするのは、天河大辨財天社の名誉宮司であられる柿坂神酒之祐氏と、
世界の聖地から祈りの音を届けている音楽家の岡野弘幹氏による「天河対談」。
岡野氏が毎年、天河神社の節分祭で奉納演奏しているその聖なる音を収録した
アルバム『天河』のリリースを記念して、魂の響きを奏でていただきました。
天の川銀河のうつし· 青写真である天河にてくり広げられる、
宇宙大のお話と祈りのバイブレーションを、どうぞご堪能ください。
目 次
神の言葉は命の音
自然界の音が日本語75音に
ネイティブの楽器は神具
時空を超越した祈りの音
響きの中に在る大宇宙を観る
宇宙は間で階調
宙と地の天の川がひとつに
陰かげは光なり――神へ還る媒介“ 水”の天性を持つ民、日本人